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ハリー・ポッターと闇の姫君

第8章 【対戦校のお出迎え】


「さあ、踊れ」
(踊る……?何を踊るの?)
「ワルツだ、ワルツを踊れ!」
(ワルツを?……誰と?……ドラコと?)
「踊れ!踊るんだ!」
(嫌だ、踊りたくない……ドラコとワルツなんて踊りたくない)
「踊れ!!」
(嫌だ!!嫌だ!!)

 プツッと、まるで突然電気が点いた様にクリスは現実に戻ってきた。
 気が付くとムーディ先生が魔法で片づけた教室の真ん中で、クリスは独りで突っ立っていた。そしてムーディ先生が傷だらけの手で拍手をすると、皆「おおー!」と驚嘆の声を上げた。

「よくやった、驚きだ!完全に呪いを破ったぞ!血は争えんな」

 正直、クリスは何が何だかわからなかった。ただ頭に響く声に反抗していただけだ。しかしそれが出来るものは数少ないらしい。
 その証拠に、また何人か生徒達が呪文をかけられてはハマり、あのハーマイオニーでさえ抵抗することが出来なかった。
 そしていよいよハリーの番が回ってきた。

「よし、行くぞポッター。インペリオ!」

 呪文をかけられると、ハリーはふらふらと教室の真ん中へ行き、机に向かって飛び移ろうと膝を曲げた。しかし、なかなか飛び移ろうとしない。足だけは飛び移ろうと必死なのに、何かがハリーを押しとどめていた。
 そして――ガツン!!と音がして、ハリーは机に飛び移るのを失敗して膝を強打した。するとムーディ先生がこれまた嬉しそうにハリーに近寄った。

「それで良い!良いぞポッター!もう一度やってみるぞ、皆見ておけ!グレインといい、ポッターといい、呪いを破る奴はまず眼が違う!!」

 結局、ハリーは完全に呪いを破るまで4回も同じことをさせられた。
 授業が終わるころには、ハリーの足は傷だらけで青あざだらけになっていて、ロンなんか授業が終わっても呪いが解けず、1歩進む度スキップしなければならなかった。

 苦労した授業はこれだけでは無かった。4年生になると、宿題の数もこれまでに比べ膨大に増えし、授業そのものも難しくなってきた。
 マクゴナガル先生曰く、今の時期から『O・W・L』という通称『ふくろう』と呼ばれる『普通魔法レベル試験』の勉強を始めなくてはならないと言うのだ。
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