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ハリー・ポッターと闇の姫君

第4章 【三大魔法学校対抗試合】


 確かに、このムーディ先生と言うのはかなり異質な存在だ。今も教員用に現れた食事の中から、ソーセージを携帯用ナイフで切り刻み、匂いを嗅いでから食べている。しかもその間、ずっと青い目が動いたままだ。
皆がムーディ先生に釘付けになっていると、ダンブルドアが2、3回注意を向けようと咳をした。

「先程言いかけておったが、10月から数カ月かけて我がホグワーツ校で『三大魔法学校対抗試合』を行う事になった!この試合は、およそ700年前にダームストラング、ボーバトン、そしてホグワーツの3校で親善試合として行われてきたのじゃが、残念な事に大勢の死者を出す事件が勃発し、この数百年は中止されていたのじゃ」
「死者ですって!?」

 テーブルの幾つかから驚きの声が上がったが、ほとんどの生徒はダンブルドアの言う『三大魔法対抗試合』がどんなものなのか詳細を聞きたくて目を輝かせていた。ハリーとロンなんて、首だけではなく身体もダンブルドアの方を向こうと腰をグッとひねっていた。

「長年、この親善試合を再開しようと試みてきたが、失敗に終わった。しかし今年は魔法省の『国際魔法協力部』と『魔法ゲーム・スポーツ部』と我が校の先生方全てが尽力し、生徒達の死者が出ないよう安全を配慮したうえで行われることと相成った」

 ダンブルドアの話しを聞きながら、クリスは父やロンのお母さんが言っていた事はこれかと、ガックリ肩を落とした。そう言えばドラコも何かあるとか言っていたが、おそらくこの事だったのだろう。もっとすごい事が起こると思っていたのに、ただの親善試合。――ガッカリしたクリスだったが、この後ダンブルドアはクリスがやる気を出す事を言いだした。

「ボーバトンとダームストラングの候補生が10月に来て、ハロウィーンの日に各校の代表選手が選ばれる。優勝したあかつきには、優勝杯と学校の栄誉、そして1千ガリオンが賞金として与えられる」
「「1千ガリオン!!!」」

 フレッドとジョージの声がこだまして、大広間全体に響き渡った。クリスも叫びはしなかったものの、頬の筋肉が自然と持ち上がるのが分かった。
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