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ハリー・ポッターと闇の姫君

第4章 【三大魔法学校対抗試合】


 それを聞いて、クリスはまた笑った。いったい何があってハーマイオニーが突然屋敷しもべの擁護を始めたのか知らないが、ハーマイオニーの言っている事は間違っている。少なくともクリスが見てきた殆んど屋敷しもべは、自分から仕事をやりたがっているし、洋服を貰う事を何よりも嫌がっている。
 時折ドビーの様な“ずれた奴”もいるが、大抵は屋敷に仕えている事を誇りに思っている。そう言ったが、ハーマイオニーはそれ以上食事に手を付けなかった。それどころか、笑ったクリスに腹を立てている様だった。

 食事が終わり、折角美味しそうなデザートが現れたのにも係わらず、ハーマイオニーは頑として腕を組んで、まるでデザートを親の仇の様に睨みつけていた。その隣で、ロンがわざとハーマイオニーに見える様に糖蜜パイや、プティング、チョコレートケーキを食べていたが、ハーマイオニーが鷹の様な鋭い眼光でロンを睨みつけると、ロンも遂に諦めて普通に食べるようになった。

 やがてデザートも消え、金のお皿がまたピカピカになると、やおらダンブルドア校長が教職委員テーブルの真ん中の席で立ち上がり、再び生徒達の顔を見渡した。

「皆、今年もご馳走に満足した事だろう。お腹がいっぱいになって眠る前に、いくつか話がある。まず管理人のフィルチさんからだ。城内持ち込み禁止の品物が増えたそうなので、全員事務所にある持ち込み禁止のリストをよく読んでおくようにとの事じゃ。それと、これは誠に残念なお知らせじゃが――今年のクィディッチは中止になった」

「良しっ!」と、クリスだけがガッツポーズをした。だがそれも大勢の生徒のブーイングでかき消された。ダンブルドアは皆の声を抑える様に両手を挙げて、まるで暴れ馬を落ち着かせるように「どう、どう」と言った。

「しかしこれは10月に始まり、今学期末まで行われるイベントの為じゃ。今年は魔法省と我が校の先生方が尽力をして、遂に成し遂げた。それはこのホグワーツで行われる――」
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