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ハリー・ポッターと闇の姫君

第32章 【幕引き】


「バーサ・ジョーキンズと言う女が魔法省の使いとして屋敷にやって来た。そしてウィンキーと俺が話しているのを聞いた。バーサ・ジョーキンズは俺の正体を知り、父は止むを得ずその女の記憶を消した。あまりにも呪文が強かった為、女は記憶喪失になった」
「クディッチ・ワールドカップでの事を話してくれるかね?」
「ウィンキーが父を説得した。俺は10年以上家から出ていなかったから、せめてもの息抜きにと、何カ月もかけて説得した。父は渋ったが、ウィンキーが『奥様は坊ちゃまが幽閉の身になる事を望んでいなかった』と言い、遂に父が折れた」
「坊ちゃま!バーティ坊ちゃま!もう……もうこれ以上はっ!!」
「計画は順調だった。俺は『透明マント』を着て、ウィンキーを連れ早くから父の取った貴賓席に座った。父は安心していたが、父もウィンキーも知らなかった。俺がだんだん『服従の呪文』を打ち破る力を身につけている事を。そして試合中、俺はこっそりと前に座っていた男の子から杖を盗んだ」

 ウィンキーがワッと床に突っ伏して泣き叫んだ。「あたしが悪かったんです!高い所が怖いからと目を覆っていたから、坊ちゃまから目を放していたから!!」とキンキン声で喚いた。ダンブルドアは気にせず、クラウチJrにさらに質問した。

「それからどうしたんじゃ?」
「試合が終わった後、騒ぎが起こった。嘘をついてアズカバン行を逃れた連中達が、マグルを弄んでいるのを見て俺は怒りが湧いてきた。『闇の皇帝』の為に何もしなかった連中達が、のうのうとのさばっているのに我慢が出来なかった」
「そして君は『闇の印』を打ち上げたんじゃな?」
「そうだ。俺は証明したかった。俺が、俺こそが『闇の皇帝』の1番の腹心だと。案の定、腰抜けどもは『闇の印』を見て逃げていった」
「君の父上について聞きたい。その後、父上はどうしたのじゃ?」
「父はウィンキーをクビにした。屋敷は俺と父の2人きりになった。俺は隙をついて父を襲い、『服従の呪文』をかけた。そして立場は逆転し、今度は俺が父を管理する側となった。しかし長い間『服従の呪文』をかけていると、父も俺と同じように『服従の呪文』に抵抗する様になった。そしてある日屋敷を抜け出し、ダンブルドアに助けを求めるため禁じられた森に行った」
「そうか、そして君は――父上を殺した……」
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