第27章 【裁判】
「ではカルカロフ、仲間の名前を明かせ」
「はい、ですが……1つ言わせて頂きますと、その――我々は……『あの人』の支持者だった者は、いつも極秘に事を運んでおりまして、仲間を全員知っているわけではないのです。『名前を言ってはいけないあの人』だけが、全員を把握しておりまして――」
「それでも、何人かの名前を言えるのだな?」
「はっ、はい!私が名前を言うのは、主に『名前を言ってはいけないあの人』の主だった支持者たちです。私が真に悔い改め、残党達の逮捕に尽力た証として名前を言わせて頂きます――まずは、アントニン・ドロホフ。この者はマグルや『名前を言ってはいけないあの人』に従わない者に厳しい拷問をして――」
「その者はもう逮捕している!」
クラウチ氏の厳しい言葉に、カルカロフは「ひぃっ」と小さく悲鳴を上げた。ディメンターの傍で震えながらも、目をキョロキョロと泳がせ、なんとか首を繋ごうとしているのが手に取るように分かった。
「それは――それは、喜ばしい。他には――他には、そう!ロジエール!エバン・ロジエール!!」
「その者は死んだ。奴はお前を捕まえた直後、捕まるより死を選び抵抗して『闇祓い』に殺された」
ここに来た時から顔色の悪かったカルカロフの顔色が、より一層悪くなった。十分な情報が得られなければ、またアズカバンに戻されると知っているのだ。カルカロフは全身震えて、歯をガチガチならした。
「他には居るか?」
「えっと――トラバース!マッキンノン一家殺害に手を貸しました。マルシベール!『服従の呪文』を得意とし、数えきれないほどの人間を拷問にかけました!それとルックウッドはスパイです!魔法省内部から情報を流しました!」
「ルックウッド?神秘部のオーガスタス・ルックウッドか?」
「そうです!あの男は魔法省に勤めながら『名前を言ってはいけないあの人』に有益な情報を流していました」
「そうか……しかしトラバースやマルシベールはもう我々が拘束している。他に上げる名前が無いのならこのままアズカバンに送りかえす」
「お待ちください!まだ、まだあります!!――スネイプ!セブルス・スネイプ!!」