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ハリー・ポッターと闇の姫君

第26章 【消えたクラウチ氏】


 それから数日後、ようやく待ちに待ったシリウスから返事が来た。内容はこうだ。

【ハリーへ】
 クラムと2人きりで禁じられた森へ行くなんて、いったい何を考えているんだい?君の命を狙っている奴がどこに潜んでいるかも分からないのに。
 こんな事に二度としないと約束してくれ。今君の周りには、確実に危険な人物が潜んでいる。クラウチとダンブルドアを引き合わせないようにしたのは、きっとそいつの仕業だ。
 君の名前が『炎のゴブレット』から出てきたのは決して偶然ではない。誰かが意図的にやったとしか思えない。この『三大魔法学校対抗試合』の競技中に、誰かが君を殺すつもりだ。
 第3の課題は、相手にとって最後のチャンスになる。決して1人になるな。常に誰かと行動した方が良い。例え『透明マント』を被っていたとしても夜にグリフィンドール塔から出ない事。そして第3の課題に集中する事。
 これからは『失神の術』と『武装解除の術』を練習した方が良い。他にも呪いを幾つか勉強するのも良いだろう。クラウチに関してはダンブルドアに任せて、自分の身の安全だけを考えるんだ。良いね?分かったら約束の返事を送ってくれ。
 ――シリウス――

「なんだよ、自分の学生時代の事を棚にあげちゃってさ」

 この過保護な手紙に、ハリーは気分を害した様だ。まあ無理もない。自分は学生時代、狼男と一緒になり、法律破りのアニメ―ガスになってまで真夜中のホグワーツを自由気ままに飛び出していたのだから。
 しかしこれだけ心配されているハリーを、クリスは少し羨ましく思った。

「ハリー、心配されている内が花だぞ」
「でもクリス、この1年近く誰も僕を襲おうとしなかったよ」
「それはダンブルドア校長を初め、沢山の人が君を守っていたからだろう」
「そうよハリー、ゴブレットに名前を入れられた日の事を忘れたの?」
「忘れちゃいないけど……でもこんなのって無いよ」
「あと1か月の心棒だよ、ハリー」

 ニシンの燻製を頬張りながら、ロンが言った。
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