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ハリー・ポッターと闇の姫君

第25章 【unhappy Easter】


『お前ニ ハリー・ポッターは フさわ死く ナイ とっとと 気エロ 糞マグル』
「これって、みんな同じような内容だわ!!『ハリー・ポッターにはもっと良い子が相応しい』『お前なんかがハリーの側にいる事すらおこがましい』ですって!――アイタッ!!」

 ハーマイオニーが明けた封筒に、どろどろした黄緑色の液体が入っていた。それがハーマイオニーの手にかかり、彼女の手をブクブク膨れ上がった醜い手に変えてしまった。
 出来物だらけの手に、ハーマイオニーは痛みを堪えきれず涙をぽろぽろ流した。

「『腫れ草』の膿だ、これ!誰だッ、こんなの送ってきたヤツ!?」
「ハーマイオニー、医務室に行こう。立てるか?」

 クリスはハンカチでハーマイオニーの手を覆うと、急いで大広間を離れ医務室に向かった。

 マダム・ポンフリーは、有難い事になぜこんな手になったのかあれこれ追及してこなかった。ただハーマイオニーの腫れ上がった手に消毒をし、薬を塗って包帯を巻いた。先生曰く、ニキビを直すために『腫れ草』の膿を塗る生徒が1年に7、8人は出るらしい。
 ハーマイオニーもその1人と思われたのかは分からないが、何にせよハーマイオニーの手はしばらく動かせないから、『薬草学』の授業を休ませるように言った。クリスはハーマイオニーが心配だったが、マダム・ポンフリーの剣幕には勝てず、独り医務室を後にした。

 『薬草学』の次の時間は『マグル学』なので、クリスはハーマイオーが無事かどうか確かめるのに昼食まで待たなければならなかった。大広間で今か今かと待っていると、手を包帯でぐるぐる巻きにしたハーマイオニーがハリーとロンと一緒に入って来た。

「ハーマイオニー!」

 ハーマイオニーは思ったより元気そうだった。話しを聞くと、ハグリッドに「そんな手紙は全部無視しちまえば良い。俺の場合はそうした」と助言をくれたそうだ。
 ハグリッドにそんな手紙が届いていた事にも怒りが湧いたが、ハーマイオニーに対してひっきりなしに嫌がらせの手紙が届く事に怒りが湧いた。
 おまけに嫌がらせの手紙の中に“吠えメール”も交じっており、今やハリーとハーマイオニーとクラムは愛の三角関係を結んでいると全校生徒が勘違いをしていた。
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