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ハリー・ポッターと闇の姫君

第25章 【unhappy Easter】


「なんでそれ、外さないの?」
「魔法がかかってるんだ。外そうとすると指がもげる」
「ハーマイオニーに取ってもらったら?」
「気づかなかった、名案だな。でも今は無理だ、機嫌が悪い」

 残念だ、と指輪を見て笑いながらクリスが口にした。不思議な事に、何故か知らないけどその指輪を大切そうに見つめるクリスを見るだけで、ハリーの胃の中にどろどろとしたものが流れ込んできて、同時に胃がチクチク痛んだ。

「ねえクリス、もし僕がダンス・パーティに君を誘ってたら、君は来てくれた?」
「どうしたんだ?突然ダンス・パーティの話しなんて」
「なんでもない!そろそろ行こう、日が落ちて寒くなってくる」
「おっ、おいハリー?」

 ハリーは指輪を覆い隠す様にクリスの左手をしっかり掴むと、ふくろう小屋の螺旋階段を引っ張りながら下りて行った。

* * *

 翌日になると、ロンとハーマイオニーの仲も少しは良くなったみたいだった。と言うのもハーマイオニーが屋敷しもべを怒らせたのが原因で、グリフィンドールの朝食が侘しくなると言うロンの予想が外れた点が大方を占めていた。
 そして朝食の時間が終わる頃、クリスがいつもの様にふらふらと夢遊病患者のごとく大広間に現れると、ハリーがクリスの肩を揺さぶった。

「ほらクリス、起きて!ハーマイオニーに頼みがあるんだろう?」
「んー……?」
「何?頼みって――きゃあ!!」

 丁度その時、何羽ものふくろうがハーマイオニー宛に手紙を送って来た。われ先に手紙を渡そうとハーマイオニーの周りに群がるふくろう達によって、クリスは不機嫌な目覚めを迎えた。

「……なんだこの忌々しいふくろう達は」
「『日刊預言者新聞』を定期購読しようと思って頼んだんだけど、なんでこんなに大勢のふくろうが来たのかしら?」

 ハーマイオニーの疑問は3人の疑問でもあった。それに1羽を除いて皆新聞ではなく手紙を持っている。ハーマイオニーは不思議そうに1通の手紙を開けてみた。するとそこには新聞の切り抜き文字でこう書かれていた。
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