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ハリー・ポッターと闇の姫君

第24章 【クラウチの息子】


「2人とも良い点を付いている。私も何故ダンブルドアがスネイプを雇ったのか不思議に思っていたのだ。スネイプは入学した時から、もう7年生が習うような闇の魔術の大半を知っていたし、闇の魔術に魅かれていた。それに不思議なことに、後々に『死喰い人』になったスリザリン生のグループにも入っていたが、残念な事にスネイプが『死喰い人』だと糾弾されたことは1度もない」
「でもスネイプとカルカロフは仲が良いみたいだよ?スネイプは隠したがってるみたいだけど」

 ロンのその言葉をきっかけに、ハリーが重要な事を思い出した。

「そう言えば、昨日もカルカロフが『魔法薬学』の授業中に教室に入って来たんだ!」

 それからハリーは、『三大魔法学校対抗試合』の第2の課題である金の卵の謎を解くとき、偶然スネイプとムーディとクラウチ氏に会った事をシリウスに伝えた。そして昨日、カルカロフが訳あり気に腕をスネイプに見せていた事も話した。

「腕の何かを見せていた?」

 その時、シリウスがチラッとクリスを見た。クリスは心臓が鷲掴みにされたように苦しくなり、サーッと顔色が青くなるのが自分でも分かった。
 どうしよう、シリウスは『例のあの人』が側近に『闇の印』を腕につけるのを知っているんだ。思わず視線を逸らすクリスを見て、シリウスがフッと優しく笑った。

「さて、私には何のことか分からないな――とにかく、スネイプは過去に何があっても今はダンブルドアの信頼を受けている。もしスネイプが本当に『元・死喰い人』ならダンブルドアも信頼しないはずだ」
「でも、それならなんでムーディとクラウチは真夜中にスネイプの研究室に入りたがったんだろう」
「それは私も疑問だ。ムーディは――あの人ほど『闇の魔術対する防衛術』を真剣に考えている人はいないだろう。ダンブルドアと違い、あの人は人を信用しない。だがある意味ではとても人間らしい人だ。周りの『闇祓い』が大勢の『死喰い人』を殺しても、あの人は出来る限り人を殺さなかった」
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