• テキストサイズ

ハリー・ポッターと闇の姫君

第21章 【Look for it】


 それからハリーは、昨夜見た事について、シリウスに手紙を書いた。
 何故か病気のクラウチ氏が、スネイプの研究室に忍び込んでいた事。それからムーディ先生とスネイプの関係について、何か知っているか。それらを綴り、学校の茶色いふくろうに託して空に放った。

 ハリーは2、3日はシリウスから返事が来ないかそわそわしていたが、だんだん第2の課題が迫って来るとそれどころじゃなくなってきた。何日も図書館に通っても良い方法は見つからず、ハリーは焦っていた。

 ロンは第1の課題で見せた『呼び寄せ呪文』をいたく気に入り、スキューバダイビングの道具を一式近くのマグルの町から呼び寄せたら良いと言った。だが、ハーマイオニーが「スキューバダイビングの道具一式がホグワーツ目指して空を飛んでいたら、どんなマヌケでもすぐ気づく」と言って一蹴した。
 ハーマイオニーは「何かに変身する方法が良い」と提案したが、自分自身を変身させるのは少なくとも6年生以上じゃないと習わないので、これも却下となった。もし無理に変身して、取り返しのつかない事になったら大変だからだ。
 クリスは「空気をパンパンに入れた袋を用意して潜れば1番簡単だ」と言ったが、1時間も潜るのにどれほど大きな袋が必要になると思っているんだとつっこまれた。それに、そもそもそんなに大量の空気を持っていたら潜れないとも言われた。

 皆で必死になって、どうやったら水中で1時間も潜っていられるか、あれこれ調べたが、遂に良い手段が見つからないまま2週間が過ぎようとしていた。
 もう第2の課題まであと2日しかない。ハリーは目に見えて元気がなくなっていった。

 月曜の昼、ハリーがハッシュドポテトをゾンビの様な表情で口に運んでいると、茶色いふくろうがハリーの元にやって来て手紙が括りつけられた足を差し出した。シリウスからの返事だ。ハリーは急いで手紙を解いた。

【ハリーへ】
 直ぐに次のホグズミード行きの日程を知らせてくれ。

 それだけの、たった1行きりの手紙だった。
 次のホグズミードは来週末だ。ハーマイオニーが急いでカバンから羽ペンとインクを取り出すと、手紙の裏に返事を書くよう促した。
 ハリーは走り書きで返事を書くとそれをもう1度ふくろうの足に結び付けて送り返した。
/ 305ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp