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ハリー・ポッターと闇の姫君

第20章 【半巨人】


「リータ・スキーターだ!」
「えっ!?あれが例のクソばばあ?」

 ロンの一言に、思わずクリスが噴き出した。それを聞いていたかの様に、リータ・スキーターが素早くこちらに振り向き、愛想笑いを浮かべると早足でハリーに近づいてきた。

「ハリー!こんな所で会えるなんて思ってもみなかったざんすわ!ちょっとこっちに来て――」
「ふざけるな!誰がお前なんかと!!ハグリッドをあんな目に遭わせたくせに!!」
「あんな目?ああ、先日の記事の事ざんすね。ハリー、記者と言うのは読者に新鮮な情報を提供してこそ――」
「記者だったら何を書いても良いって言うのか!?誰かを傷つけても良いって言うのか!?」
「止めろハリー、こんなクソ女に何言っても無駄だ」
「でもクリス……」

 クリスがハリーを庇う様に前に出ると、リータ・スキーターはクリスの顔をよく見て、目を見開いた。それから大きく口を開けると、にんまりと気味悪く笑った。
 そして趣味の悪いワニ革のカバンから羽ペンと羊皮紙を取り出し、今度はクリスにずずいっと寄ってきた。

「あなた、もしかしなくてもクリス・グレインじゃなくって?」
「そうだが……それが何か?」
「素敵ざんすわ!あなたに再びお目にかかれる日が来るなんて!!」
「再び?」

 再びも何も、この女と会ったのは初めてのはずだ。意味が分からず呆気に取られている間にも、自動速記羽ペンが羊皮紙にすらすらと見出しを書いていく。
 『ホグワーツで結ばれた友情と罠』リータ・スキーターはニタニタ笑みを浮かべこう言った。

「14年間『死喰い人』であった父親に育てられたにも拘らず、ハリーの友達になったのにはどういう経緯があったんざますか?ハリーはあなたの父親について恨みを持っていると思う?」

 突然の事に、クリスは動揺を隠せなかった。4人とも分かってはいたが、あえて長い間ふれてこなかった事に、この女は土足で踏み込んできたのだ。
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