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ハリー・ポッターと闇の姫君

第20章 【半巨人】


「ホントだ、なんでだろう。『三校対抗試合』までまだ日があるのに……」

 ハリーがそう呟いたその時、バグマン氏がこちらに気づき、大股でハリーに近づいてきた。

「やあ、やあ!久しぶりだね、ハリー」
「お久しぶりです、バグマンさん」
「次の課題は順調かな?あ~、ちょっと2人で話せないか?」
「あ――ハイ」

 ハリーが了承するなり、バグマン氏はハリーをカウンターの隅に連れて行った。
 いったい何を話しているんだろう。クリスは何だか胸がそわそわした。クリスは運ばれてきたバタービールを飲みながら、目は常にハリーを見ていた。
 するとそこに、にこやかな笑顔を浮かべたフレッドとジョージが入ってきて、バグマン氏はそそくさと店と後にした。その後を5人のゴブリンが追いかけて行った。
 ようやく解放されたハリーは、もといたカウンター席に戻ってきた。

「何の話だったの?」
「卵の事で、僕を助けたいって」
「それって違反じゃないの!?」

 ハーマイオニーが勢いよくバタービールのジョッキを置いた。辺りにバタービールが飛び散り、マダム・ロスメルタが横目でそれをチラリと見ていた。クリスは目立たぬよう、ハーマイオニーに声のボリュームを下げるようジェスチャーした。

「審査員の1人なのに……それに魔法省の役人でしょ?それなのに八百長だなんて」
「それにあのゴブリン達、何だったんだろう。あんまり良い付き合いじゃないみたいだったけど」
「胡散臭いわよね。結局ここに来た理由は何だったのかしら?」
「クラウチ氏を探してるって言っていたけど――クラウチ氏は病気なんだって。最近仕事に来てないみたいなんだ」
「そう言えば、ダンス・パーティの日もパーシーが来ていたな」
「もしかしたらパーシーが一服盛ってるかも。クラウチさんがいなくなったら自分がボスになるつもりかもしれない……」
「止めてよ、冗談でしょ?」
「いや、あのパーシーの事だ、案外――」

 ロンが言いかけていた時、ハリーがロンの口を押さえた。扉が開き、一瞬吹雪が入り込むと同時に派手なバナナ色のローブを着たおばさんが、後ろにカメラを持った男と一緒に入って来た。
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