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ハリー・ポッターと闇の姫君

第20章 【半巨人】


 そうこうしている内に、久しぶりにホグズミード行きのお知らせが掲示板に張り出された。ハリー、ロン、クリスの3人はもしかしたらホグズミードでハグリッドに会えるかもしれないと喜んでいたが、それに異を唱えるものがいた。ハーマイオニーだ。

「ハリー、彼方いい加減に課題に取り組んだらどうなの?折角談話室が静かになる良いチャンスなのよ」
「ああ、あの卵の事なら、僕――結構分かってきたところなんだ」
「すごい!ホントに、ハリー!?」
「どんな内容なんだ?」
「それは――まだ秘密」

 ハリーは薄ら笑いを浮かべながらそう答えた。

 そしてとうとうホグズミード行きの日がやって来た。4人そろって校庭を横切り、“馬なし馬車”を列を作って待っていると、湖の上に浮かぶダームストラングの船の上から、なんとクラムが水泳パンツ一丁で湖に飛び込む場面に遭遇した。ハリー、ロン、クリスは空いた口がふさがらなかった。

「心臓マヒで死ぬ気かな?」
「馬鹿言わないで。あの人はもっと寒い所から来ているのよ、あれでも案外温かいと思っているかもしれないわ」
「おやおや、お優しいハーマイオニー様です事」
「……何か言いたそうね、ロン」
「いいえ、別に」

 ダンス・パーティの一件以来、2人はどんな停戦条約を結んだのか知らないが、派手な喧嘩は極力避けていた。だがロンはあれ以降、クラムのクの字でも聞いたら神経過敏に反応していた。

 ホグズミードに着くと、4人はハグリッドを探して歩いた。しかしどの路地にもハグリッドの姿を見つけることが出来ないと分かると、寒さを凌ぐため『3本の箒』に入った。そこにもハグリッドの姿が無かったので、4人はがっくりと肩を落とした。

「まあ、仕方ない。バタービールでも飲んで温まろうよ」
「そうだな」
「ねえ、あの人いったいいつお役所で仕事をしているの?」

 ハーマイオニーはカウンター席に座りながら、顎で奥の席をさした。見るとそこにはルード・バグマンが5人のゴブリンに囲まれて座っている姿が目に入った。
 会話の内容までは聞こえないが、なにやら深刻そうな雰囲気だ。同じようにカウンターに座りながら、クリス達はルード氏を見つめた。
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