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ハリー・ポッターと闇の姫君

第19章 【Party night】


 それから、クラムと一緒に入っていくハーマイオニーに視線を移すと、ハーマイオニーは一瞬クリスにウインクした。
 3番目にフラー・デラクールが、背の高い、鼻の下を伸ばした男と入って行き、最後にセドリックがチョウ・チャンと入って行った。
 成程、確かにハリーの言う通りチョウ・チャンは可愛かった。東洋系の顔立ちをしていて、きっとああ言うのをアジアン・ビューティと言うんだろう。

「ハーマイオニーはいったいどこだ?」

 相変わらずハーマイオニーを探しているロンに、クリスは笑いを堪えるので精一杯だった。マクゴナガル先生は代表選手達が入ったのを確認すると、一般生徒達を大広間に招いた。

 大広間の飾付は素晴らしいものだった。本物の夜空を映す天井は満天の星空を映しており、いつも寮ごとに並んでいる木のテーブルに代わって、ガラスで出来た丸いテーブルとイスがダンスの邪魔にならないよう設置されていた。
 それから蝋燭の代わりに、今夜は本物の妖精の光が蛍の様に光り輝き辺りを照らしていた。その光を反射する様に、窓ガラスには銀色に輝く霜が降りていた。その幻想的な光景に、クリスはため息を吐いた。

「素敵だ……こんな場所ならダンスも悪くない」
「僕達の出番はまだだよ。先にハリー達だ」
「ハーマイオニーは何処に行ったんだ?」

 ムスッとした顔のパドマの横で、まだロンがハーマイオニーを探していた。クリスは喉の奥でクックックと笑いながら、クラムの横に居る淡いブルーのドレスを着た少女を指さした。
 ロンは初め、近視になったように目を細めて見つめていたが、少女の正体がハーマイオニーだと気づくと、今度は目を大きく見開いて口をパクパクさせていた。

「どうだ?驚いただろう」
「あいつ……何やってるんだよ!相手はハリーのライバルだぜ!?」
「自分はフラー・デラクールにダンスの申し込みをしたくせに」

 代表選手達のダンスが始まると、ロンはむっつり黙ったままハーマイオニーを睨み続けていた。
 やがて一般生徒のダンスも始まり、ディーンと一緒にクリスはダンスフロアへ向かった。しかし、ロンは椅子に座ったまま動こうともしない。隣りに居るパドマは、とっくにロンに愛想をつかして、つまらなさそうにしていた。
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