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ハリー・ポッターと闇の姫君

第19章 【Party night】


「どうした?どこかおかしい所でもあるのか?」
「思い出した、君って、もの凄く美人だったんだ!!」
「……4年ぶりに思い出してくれてアリガトウ」

 氷のような冷たい視線でロンを睨みつけると、ハリーが咄嗟にロンの口を両手で押さえた。だが無理もない、普段は化粧の化の字もつかないクリスが、フルメイクで着飾っているのだから。
 それに今日はダンスの為に、身の丈以上もある召喚の杖も持っていないので、いつもと全く雰囲気が違う。まるで絵本から出てきたお姫様の様だ。
 呆然とする男子たちを前に、クリスはそっと手を差し出した。

「それじゃあ行こうか、ディーン。こう言う時は男がリードするものだぞ」
「あ、ああ。うん、じゃあ行こう」
「じゃあ皆、また大広間で会おう」

 クリスはディーンと腕を組み、談話室を後にした。玄関ホールに行くまで、何人かのカップルと出くわしたが、皆クリスとディーンを羨望の眼差しで見ていた。
 ディーンはいささか緊張していた様だったが、クリスは気にも留めていなかった。だがドラコと、ドラコの腕に絡みついたパンジーを見た瞬間、クリスの機嫌が悪くなってきた。
 ドラコと一瞬目が合ったが、クリスはツンとそっぽを向いて無視した。その視線の先に、ロンが辺りを見回してキョロキョロしていた。

「どうした?ロン」
「いや、ハーマイオニーはどこかなって思って」

 その時、丁度正面玄関のドアが開いて、ダームストラングの生徒達が入って来た。
 カルカロフを先頭に、列を作って並ぶ生徒達の一番前に、クラムと一緒にハーマイオニーがいた。どうやらロンはハーマイオニーだと気づいていないらしい。それがクリスには滑稽に思えた。

「代表選手とそのパートナーは先頭へ!」

 タータンチェックのパーティローブを着たマクゴナガル先生が大声で叫んだ。ハリーはパーバティと一緒に先に大広間へ入っていった。クリスは傍から見ても緊張しているハリーに「good ruck」と合図を送った。
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