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ハリー・ポッターと闇の姫君

第18章 【気になるアイツ】


 昼食間近と言う事もあり大広間には大勢の人がいた。そこにはハリー達の姿もあった。

「メリークリスマス」
「お早うクリス。メリークリスマス」
「何にやけてるの?」

 不気味なほどニコニコしているクリスを見て、ロンが指摘した。

「いや~、朝起きたらプレゼントの中にルーピン先――」
「あ、待った。その先は言わなくていい」

 もう予想は付いたから、とロンがそっけなく言った。折角惚気ようと思ったのに。クリスは舌打ちと共にパチンと指を鳴らした。

 それからみんなと一緒に昼食を取り(クリスにとっては朝食だが)談話室に戻ろうと大広間を出た時、いつもの様に大勢の人に囲まれたセドリックの姿を発見した。
 その瞬間、クリスの頭に借りていたハンカチの事が浮かんだ。いつでも返せるよう、あれ以来ずっと持ち歩いていたのだ。
 クリスはハリー達に先に戻っていてくれと言うと、セドリックに声をかけた。

「セドリック!」

 セドリックはクリスの顔を見ると、囲んでいた生徒達に一言ことわってから、ひとり走ってクリスの方へ向かって来た。

「やあ、クリス」
「ハンカチ返すよ、ありがとう」
「どういたしまして。良かったらちょっと話さない?」
「ああ、良いよ」

 クリスとセドリックは中庭に出た。中庭は雪で真っ白に輝いていて、とても綺麗だった。ベンチの雪を払うと、2人はそこに腰掛けた。

「そう言えば聞いたぞ。ダンスパーティの相手にチョウ・チャンとか言う可愛い女の子を誘ったみたいじゃないか。知らなかったなぁ、セドリックが相手を顔で選ぶなんて」
「ちっ、違うよ。チョウとはお互いクディッチの選手として知り合いだったし、それに今年のクディッチ・ワールドカップの時たまたま同じキャンプ場だったから、そこで仲良くなったんだよ」
「ふーん……」
「もしかして、妬いてくれてるの?」

 思ってもみなかった発言に、クリスは咄嗟に言葉が出なかった。
 妬いている……のだろうか。クリスは「う~ん」と悩んだ。が、答えは出てこなかった。でも、きっと他の男がチョウ・チャンと踊っていたら気にも留めなかっただろう。そう考えたら――
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