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ハリー・ポッターと闇の姫君

第18章 【気になるアイツ】


 しかし、ムーディ先生の姿はどこにも無い。その慌てっぷりに、ハーマイオニーは噴き出した。

「小さなケナガイタチがぶるぶる震えてるみたいね、マルフォイ」
「クッ……ハハハ、ハーッハッハッハ!!ドラコ、お前が襟巻きとして大人しくしているんだったら、一緒にダンスパーティに行ってやっても良いぞ!」

 ドラコは顔を真っ赤にすると、怒って廊下の向こう側に行ってしまった。恐らくドラコの人生の中でも1位2位を争う汚点をからかわれた所為か、それからドラコはクリスに話しかけて来る事は無かった。


 ようやく平和になったと思ったら、すぐクリスマスがやって来た。
 クリスマス前日、優雅な昼食を取っていると4羽の大ガラスが白い大きい箱をもって大広間に入って来た。間違いなく、グレイン家のカラス達だ。
 箱を開けると、ドレス一式が入っていた。いやな予感がしてその場でドレスを広げてみると、黒いAラインのシンプルなドレスだった。
 良かった、またチャンドラーお手製のダサいドレスを着て全校生徒の前で恥をかくわけにはいかない。クリスはドレスを丁寧に箱に戻すと、すぐに女子寮にもっていった。

 そしてクリスマス当日、クリスは昼頃まで寝ていたので、起きた時にはルームメイトのベッドは既に空っぽになっていた。クリスはのそのそと支度をすると、ベッド際に積んであるプレゼントを開けた。

 父様からは細かい彫り物細工が特徴のオルゴール。チャンドラーからは二段重ねのデコレーションケーキと箱いっぱいのチョコレートだった。
 それからいつも豪華なものをくれるマルフォイ一家からは、真っ白い毛皮のケープと高級ブランドの香水。きっとケープはおじ様からで、香水はおば様からだろう。ドラコからは、ロココ調のティーセットだ。いかにも高級そうで、ドラコらしい。
 他にもウィーズリー夫妻からは豆電球と手編みのミトン。シリウスからはカメラ。ルーピン先生からは四季折々の押し花のしおりが贈られてきた。

 先生が自分の為に作ってくれたかと思うと、例えささやかでもクリスにはこれが1番嬉しかった。つい緩んでしまう頬を隠しもせず、クリスは大広間に向かった。
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