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ハリー・ポッターと闇の姫君

第18章 【気になるアイツ】


「……いいや、まだだっ!」

 ハリーは決心した様にすっくと立ち上がると、なんと部屋の隅でお喋りをしているパーバティとラベンダーの所に行って、堂々とダンスを申し込んだ。そして――見事パーバティをパートナーにしてみせた。
 しかもそれだけではない。ロンのパートナーに、双子の妹のパドマを紹介すると言う約束までとりつけた。
 流石はハリー・ポッター。窮地に立たされた時の行動力は誰にも負けない。

 こうして男2人は見事ダンスパーティの相手をGetした。問題はハーマイオニーだった。ハリーやロンにはもちろん、クリスにまでダンスの相手を教えてくれなかった。

「なあハーマイオニー、私には教えてくれてもいいだろう?」
「駄目よ、だって教えたら貴女あの2人に言っちゃうもの」
「言わないって。女の友情に誓おう」
「でも駄目。そこにコソコソ嗅ぎ回ってるハイエナがいるもの」

 ハーマイオニーは柱の陰に隠れているハリーとロンを見つめた。ロンは「チッ」と舌打ちをしながら柱の陰から出てきた。

「別に良いだろう、教えてくれたってさ。いったい誰にダンスパーティに誘われたんだ?」
「絶対教えません。教えたって、笑うだけだもの」
「まさか、スリザリンの誰かとか言わないよな?」
「冗談でも止めてくれよウィーズリー、僕らスリザリン生がこんな『汚れた血』を誘うなんて」

 今度は廊下の角から、腰ぎんちゃくのクラップとゴイルを連れたドラコが現れた。クリスは思いっきり嫌な顔をしたが、ドラコはそんなこと気にもせず、ズイッとクリスの目の前に立つと、クリスが逃げられない様に壁際に追いやった。

「クリス、もう1度冷静に話しをしようじゃないか」
「こんな所で何を話すつもりだ?」
「何って、もちろんダンスのパートナーについてさ」

 ドラコは両腕を壁につき、ぐっと顔を近づけてきた。

「僕から逃げらると思うなよ、絶対に――」
「こんにちは!ムーディ先生!!」

 ハーマイオニーが突然大きい声をあげて手を振った。途端にドラコはクリスから離れて反対側の壁際まで素早く後退して、あたふたと周りを見まわした。
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