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ハリー・ポッターと闇の姫君

第14章 【Shall We Dance?】


「痛ッ!」
「ご、ごめん!」
「気にするな。ステップなんぞ踏んで踏まれて覚えるものだ――こんな風にっ」
「アイタッ!」
「分かっただろう?ここで中途半端に足を出すと踏まれるんだ。次は思い切って前に出せ」
「O、OK」

 そんなこんなで小一時間ステップの練習をして、皆なんとなく形になってくると、マクゴナガル先生が止めるよう指示を出した。
 最後に先生がステップの復習をしっかりしておきなさいと言い残すと、ロンはようやく地獄から解放された。ハリーとクリスはニヤけながらロンに近づいていった。

「お疲れ様。どうだった?マクゴナガル女史の腰は?」
「クリス、それ以上言ったら殴るよ?」
「あの――クリス!」

 声をかけられて振り返ると、ディーンが照れくさそうに頭をかきながら立っていた。

「あのさ、出来れば本番でも、僕と一緒に踊ってくれないかな?クリス、凄くダンス上手だし」
「あー、悪いがクリスマスは実家に帰るんだ。だからパーティには出られない」
「そっか……残念。じゃあ他を当たってみるよ」
「ああ、悪いな」
「良いんだ、今日はありがとう」

 それじゃあと言って、ディーンは教室を出て行った。

「良いの?」
「何が?」
「ディーン。折角誘ってくれたのに。君もパーティに出ればいいじゃないか」
「嫌だ、何の為にドラコの誘いを断っていると思ってるんだ」

 談話室に戻る最中そんな話をしていると、階段の上の方からクリスを呼ぶ声がした。反射的に視線を仰ぐとそこにはセドリックがいた。
 そうだ、借りていたハンカチ――は、洗濯して寝室にある。いつでも返せる様に持ち歩いていればよかったと後悔した。

「やあ、クリス」
「悪いセドリック、ハンカチ寝室に置きっぱなしなんだ。でも洗濯してあるから、今から持って――」
「――あ、いや。そうじゃなくて……今日は君を誘おうと思って声をかけたんだ」
「誘うって、何に?」
「クリスマス・ダンスパーティに。君も行くんだろう?」

 突然の誘いに、クリスではなく一緒に居たハリーとロンとハーマイオニーが驚いた顔をした。3人はクリスとセドリックが、ある種の同族意識を持った友人同士だと言う事を知らない。
 クリスが何か言う前に、ハーマイオニー達がクリスを壁際まで追い詰めてまくし立てた。
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