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ハリー・ポッターと闇の姫君

第14章 【Shall We Dance?】


 怒ったクリスはハリー達を連れてグリフィンドール席のど真ん中に座った。流石のドラコもグリフィンドール生達が沢山いる中に割り込むほど馬鹿ではない。
 その場はそこで去ったが、次の日もその次の日もドラコはしつこくクリスを誘いに来た。

 とにかくお決まり文句はいつもこう。「僕と君は許婚同士だ。だからダンスパーティには必ず一緒に行くぞ」だ。断っても断っても誘ってくるドラコの所為で、クリスの眉間にはいつも皺が出来ていた。


「クリス、眉間に皺がよってるわよ」
「分かってる」

 土曜日の午後、ダンスパーティの予行練習をする為に空き教室へ向かう最中、ハーマイオニーが眉間のシワを指摘した。
 毎日毎日しかめっ面ばかりしている所為で、もう眉間のシワはクッキリ癖になっている。どれもこれもみんなドラコが悪いと、クリスは決めつけていた。もう本当に、いい加減諦めて欲しい。

「ああっ!どうしてあんなに諦めが悪いんだアイツは!!」
「多分それ、マルフォイも同じことを思ってると思うよ」
「何か言ったかハリー?」
「いいえ、何も」

 やれやれ、と言った風にハリーとロンは肩をすかした。

 指定された教室の真ん中には、もうマクゴナガル先生が待っていた。いつもと同じ風にキッチリと髪を結ってはいたが、トレードマークのつばの広い三角帽子は空いた椅子の上に乗せられていた。

「皆さん、遅いですよ!それでなくともダンスのレッスンの時間は殆どないんですから!!」

 厳しいマクゴナガル先生の言葉に、生徒達は背筋が伸びる思いがした。生徒達が全員集まると、先生は授業をするかのように話し始めた。

「良いですか皆さん、今年のダンスパーティは『三大魔法学校対抗試合』の伝統でもあり、もちろんボーバトンとダームストラングの生徒の皆さんも参加される大変有意義な機会です。4年生以上の生徒が参加でき、下級生を誘うことも出来ます」

 マクゴナガル先生が話している最中、女子生徒の誰かがクスクスと笑った。珍しく、先生はそれを無視した。

「ダンスパーティはクリスマスの夜に行われます。この日だけは……皆さんも羽を伸ばす機会ですが――ですが我が校の誇りと秩序はしっかりと守っていただきます!――ではまず皆さんにステップの基本を教えます。ミスター・ウィーズリー。私の相手を」
「へっ!?」
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