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ハリー・ポッターと闇の姫君

第14章 【Shall We Dance?】


 それから金の卵は見向きもされなくなり、また美味しいデザートの出番がやって来た。満腹になったクリスがバタービールを手に一息入れていると、フレッドとジョージが大きな皿を手に近づいてきた。

「クリス。このシュークリーム美味いぜ?」
「こっちのスコーンもイケるぞ」
「良し分かった!ロン、このシュークリームとスコーンを食べてみろ」
「おやおや、お嬢様は我らのお勧めデザートが気に喰わないらしい」
「怪しいモノは何も入ってないぜ?あっちのクリーム・サンド以外は」

 その時、ちょうどクリーム・サンドを口にしていたネビルがビックリしてむせていた。それを見た双子が声をそろえて笑った。

「冗談だよ、ネビル」
「ねえ、これ全部厨房から持ってきたのよね?」
「当ったり前だのクラッカー!」
「どうやって厨房に入るの?」
「簡単。果物が描かれた絵の裏に、隠し扉がある。洋梨をちょっとくすぐってやれば――って、どうして聞くんだい?」
「別に?知的好奇心ってやつよ」
「ハーマイオニー、もしかして君のやっている『反吐』って活動で、屋敷しもべ達をストライキさせようって言うわけじゃないだろうね?」
「『反吐』じゃないわ!S・P・E・Wよ!!」
「何でも良いけど止めとけ、止めとけ。奴らが料理に集中できなく――おっと!」

 話の途中だったが、ネビルが突然カナリアに変身して、その場に居た全員の注意がネビルに向けられた。
みんなゲラゲラ笑い、フレッドとジョージがニヤリと満足そうに笑った。

「ごめんネビル、俺達やっぱりクリーム・サンドに魔法をかけてたみたいだ」

 見る見るうちにネビルの羽は抜け落ち、全部抜けるとポンッと音を立てていつものネビルの姿に戻った。それを見てみんな笑いながら拍手を送った。

「カナリア・クリーム!僕達が開発したんだ、1個7シックル!!試したい奴は他に居るかい!?」
「お前の兄上は商魂逞しいな、ロン」
「あの2人、悪戯専門店を本気で開くって言ってた。でもまさかここまでやってるとは……」

 これには流石のロンも、呆れて苦笑いしか出なかった。
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