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ハリー・ポッターと闇の姫君

第13章 【ほどけた紐】


「ごめん、そんなつもりで言ったんじゃないんだ、ロン。私は……もう嫌なんだ、4人がバラバラになっているのが。ハリーだけが特別なんじゃない。ロンに何かあったら、私は同じように心配する。だから頼む、数日後の試合の日は一緒に応援席に来てくれ。もしかしたら……それがハリーを見る最期の日になるかもしれないんだ」
「……分かった、だたし見に行くだけだ。応援は……出来るかどうか分からない」
「ロン……ありがとう――よし!一緒にレポートを片付けよう」

 それから第一の課題の日まで、ロンの前ではハリーの名前を一言も出さずにクリスはロンと一緒に過ごした。
 嬉しかった、あそこまで頑なだったロンがハリーの姿を見に来てくれると約束してくれたことが。それだけで今のクリスには十分だった。


 そしてついにやって来た第一の課題の日。その日は授業も無く、代表者以外の生徒は皆そろって、各寮の先生達に先導されて禁じられた森の近くまでやってきた。
 スタンドに大きな囲いとテントが作られ、至る場所に緊急時に備えドラゴンを拘束する魔法使い達がいた。その中に、燃える様な赤毛の男性がいた。

「ロン!あれチャーリーじゃないか!?」
「本当だ!おーい!チャーリー!!」

 久しぶりに笑顔を見せて大きく手を振るロンに、チャーリーは真っ白い歯を見せて大きく手を振り返した。
 間もなくして、他の先生達も着席した。そしてダンブルドアを初めとする審査員の面々も集まり、遂に『三大魔法学校対抗試合』の第一の課題が始まろうとしていた。
 ダンブルドアが立ち上がると、皆が皆、話しを止めて注目した。

「これより、『三大魔法学校対抗試合』の第一の課題を始める。第一の課題は、ドラゴンから金の卵を奪う事じゃ!!我々審査員は選手達が、いかにしてこの課題を切り抜けるか点数をつける。さあ!最初の挑戦者をここへ!!」

 大きなテントから、6人の魔法使いに連れられてグレーのドラゴンが姿を現した。1年生の時、ハグリッドが育てようとしたドラゴンとは比べ物にならないほど大きく、獰猛で荒々しい。
 そのドラゴンを見ただけでスタンドからどよめきが起こった。こんな怪物から、どうやって金の卵を奪えばと言うのだろう。
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