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ハリー・ポッターと闇の姫君

第11章 【4人目の代表者】


 一方ハーマイオニーの方はと言うと、必死になって両手で口を隠している。ロンが無理矢理はがしてみると、そこには元から大きかった前歯が伸びに伸びて、まるでビーバーみたいになっているハーマイオニーの姿があった。
 見る見るうちにハーマイオニーの歯は伸び続け、今や下あごまで伸びてきていた。

「この騒ぎは何だ!?」

 ようやく現れたスネイプに、スリザリンの生徒達は口々に喋りはじめた。スネイプは青白い不健康そうな指でドラコを指した。

「マルフォイ、説明したまえ」
「ポッターが僕を襲ったんです」
「僕達同時に襲ったんです!」

 ハリーが言い逃れはさせない様に叫んだ。だがドラコは勝ち誇ったようにゴイルの顔を指さした。

「ポッターがゴイルに呪いをかけたんです、見て下さい」

 ゴイルの鼻は、今やボツボツだらけで、気味が悪く見ているだけで嫌悪感が募ってくるほどだった。スネイプはゴイルの顔を見ると医務室に行くよう命じた。

「マルフォイがハーマイオニーに呪いをかけたんです!見て下さい!!」

 ハーマイオイーは歯を隠そうと必死だったが、もはや限界を超えていた。ハーマイオニーの歯は下あごを通り越し喉元まで伸びていた。
 下種なパンジー・パーキンソンを初め、スリザリンの女子数名がスネイプの陰に隠れてクスクスと笑っていた。クリスの怒りのボルテージが一気にMAXまで上がった。スネイプはハーマイオニーの顔を見ると、フンと鼻で笑ってこう言った。

「いつもと変わりない」

 その瞬間、ハリーとロンが同時にスネイプに向かって叫んだ。なんと叫んだのかは反響して聞き取れなかったが、そんなことはどうで良い事だった。
 なぜなら2人が叫ぶより先に、クリスが召喚の杖の先に付いている石で、スネイプの後頭部をモロに強打していたのだ。
 スネイプの身体はグラッと傾くと、そのまま前のめりにバタンと倒れてしまった。
 地下牢の教室に沈黙が流れる。

「あ~……スネイプ先生は怪我の為、今日は自習。クラップ、先生を医務室までお運びしろ。良いな?」

 いけしゃあしゃあと言うと、クリスは何事もなかったかのように席について、教科書を開いて黙読を始めた。
 今この場で、クリスに異を唱えられる者は誰一人としていなかった。
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