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不良君のおきにいり

第5章 昔話


「…まぁ、アイツのせいで、俺は中年のじじいが嫌いになったし、失ったもんの方が多いけど…。」

「…春樹は今楽しい?」


私は春樹に問いかけた。


「…まぁ…楽しい…。」


そっぽを向いてそう言った。よく見ると、春樹の顔が真っ赤だった。


「じゃあみんな高校デビューだな!」

「てか翔真、テメェ、人のこと高校デビューだ。とかって笑ってたくせに、お前も高校デビューだろ。」

「ははっ!まーね!」

「まーね、じゃねぇわ。」


でも、今、皆は楽しい。そう言ってくれた。


「出会ってくれて、ありがとう!」

「…」

「!…」

「お前…いきなりどうした?」


冷静なツッコミ…。

それから……。


「やべ、もうこんな時間…。」

「てか次昼?俺腹減ったぁ…。」

「次の授業終わったらお昼だよ。」

「最悪だぁ…。」


次の授業は体育。体育館でバスケをやることになっている。


「俺バスケ好き!みんなは!?」

「…あんまり好きじゃない…。」

「私も…。」

「…」

「…ねえ、春樹。スルーは傷つく。」

「うるせぇ。」

「いやなんで!?」


このあと、教室に戻った私達は、授業終了の号令の時にドアを開けてしまい、みっちりと鈴木先生に叱られた。


「じゃあまず、ウォーミングアップと準備体操しろ~!ちゃんと体操しろよ!」

『はーい!』


2人組のペアを組んで準備体操をした。私は麻里と組み、春樹は翔真と組んでいる。


「菜月…。」

「ん?」

「わ、私…ダイエット…しようと思って…。」

「!…うん。」

「い、今の体重…。」


耳元にコソッ…と話された。麻里の身長は158cm。体重は75kgあるらしい。


「や、痩せたら、翔真君に告白するんだ。ダメでも…諦めない…!」

「!…うん!応援する!私も協力する!」

「!…ありがとう!」
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