第5章 昔話
「…これから先、いじめがなくなるってことは…ないと思う…絶対に。でも、その人達のこと考えないで、私もまっすぐ生きてみようと思えたんだ。だから、吉田君と菜月は、本当に、私の恩人なんだ。も、もちろん、翔真君も!」
「へへっ…俺もか…//////」
「な、なんか照れる…ありがとう、麻里…//////」
「ううん、こちらこそ、ありが」
「よく頑張ったな。」
春樹が手を伸ばし、麻里の頭を撫でた。
「!…」
「なっ…!?おいぃっ!!」
翔真が春樹のことを敵意むき出しの目で見つめた。
麻里は…というと、微笑んでいた。
「だから私、負けないよ、どんなことがあっても、絶対に。今、すっごく楽しいから!」
麻里がそう言うと、全員が微笑んだ。
「私の昔話終わり。最後は…吉田君だね。」
「…俺、話すことなんかなんもねぇよ。」
「いやありまくりだろ。てか、1番お前の過去が気になるわ。」
「…」
正直、春樹がどこまで話すのか気になる。春樹は家庭のこととかあまり人に言わないタイプなのだ。暗い過去とか、私も少ししか聞いたことがない。普通の学校生活を話して終わるのか、それとも私も聞いたことがない過去を話してくれるのか…。