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不良君のおきにいり

第1章 最悪最凶


「…何してるの?」

「…」


私がそう聞くと、胸ぐらを離して、こちらに向かってきた。幸い、相手の子達は怪我をしていなかった。


「少し痛めつけてやっただけ。」


視線を合わせずにそう言った。


「だからって、理由もなく喧嘩は」

「理由ならある。」

「…何?」

「……お前には教えねぇ。」

「なんでよ、教えてよ。」

「うるせぇ。戻んぞ。」


そう言い、教室に戻って行った。

そんなこんなで、なんとか学校が終わり……。


「帰んぞ。」

「うん。」


靴箱へ行き、上履きから履き替えようとした。その時だった。ひらりと床に何かが落ちた。


「…?」

「何…それ。」

「わっ…!な、なんもない…!」


いつの間にか、春樹が背後にいた。急いでカバンの中にしまった。手紙のようなものだった。


「…」

「…か、帰ろ!?」


私は少し早歩きで歩いた。


「じゃ、じゃあまた明日ね。」

「後で家行くから。」

「あ…今日バイト。」

「迎えいく。」

「あ、ありがとう。」


高校生は22時を過ぎたら働いてはいけない。私のバイト先は21時閉店。春樹は必ず迎えに来てくれる。夜道は危ないから。と。


「…よし。」


バイトの制服に着替えた。


「あっ…。」


そういえば、手紙の内容を読んでいなかった。


「…!」


ラブレターだった。


「え…。」

「何それ。」

「ラブレター……うわぁ!?」

「…何?」

「い、いつの間に!?」


春樹が部屋にいた。それに気がつかなかった私は異常だ。
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