第4章 体育祭
ベッドに寝転んでいると、しばらくして眠ってしまった。起きた時、スマホを開くと、PM20:13と表示されていた。
「…」
そういえば、麻里と連絡先を交換しなかった。またスマホの画面を見た。春樹からのLIMEはない。
「…何期待してんだろ…。」
そう呟いて、リビングに行った。
「あ、やっと出てきた。寝てたの?」
「うん。なんでお父さんいるの?」
「酷いな。今日は早く仕事が終わったからな。」
お父さんは普通のサラリーマンだ。
「そっか。」
「ご飯食べる?オムライスあるけど。」
「…いらないかな。」
今は食べる気分じゃなかった。
「…」(謝らないと…。)
そう思い、LIMEを送ろうと思った。でも直接謝らないといけない気がした。
「…ちょっと、外行ってくる。」
「お買い物?危ないわよ。」
「大丈夫。春樹…ついてきてくれるみたいだから。」
「そう…?じゃあ、気をつけてね。」
「うん。」
春樹がついてくるから。そう言えば、お母さんは大抵の事は許してくれる。
玄関を開け、外に出た。夜景が広がっている…はずもなく、家がたくさん見えるだけ。私は2歩前に進んで、手すりを掴んだ。
そして、春樹に電話をかけた。
♪〜
♪〜
♪〜
出る気配がなく、切ろうと思った時だった。
「もしもし。」
「!…」
スマホを耳から遠ざけていたのを、また耳に押し当てた。
「あ、あの…。」
「…何?」
「っ…夕方……ごめん…。」
「…」
「春樹が…悪いわけじゃないのに…自分で…合ってると思ったこと…春樹にぶつけて…。」