第4章 体育祭
「っ…。」
「いっつもいっつも、あのうるさい不良と一緒にいてさ。」
「それなー!アンタも目障りだ。っつーの!」
「こんなデブかばって何になんの?」
助けて…あげないと……。
結局私は口先だけで、助ける、守る。そんなこと言っても怖くて行動に移すことなんか出来やしない…。
「っ…やめて…離して…あげてください…。」
「声震えてんだけどー!」
「ウケる~!」
「はははは!!弱虫じゃーん!」
「…」
「なんか言えよ!」
1人の女の子が黒板消しを取ると、私に投げつけてきた。
「!…」
見事に肩に命中。
「はははっ!!きったなーい!」
「気持ち悪~っ!!」
「やっ、やめてよ!菜月は関係ないじゃん…!」
「あ?うるせぇよデブ。」
「友達ヅラして、仲間欲しいだけでしょ?」
「弱虫のくせに生意気なんだよ!」
「っ…痛っ!痛い…っ…!」
髪の毛を引っ張られていた。
こんな状況なのに、足が動かない。見てるだけしかできない。
そんな自分が嫌になってしまう。
「っ…。」(誰か…っ…助けて…っ…。)
そんなこと思っても、助けなんか来ない。
「は~あ、飽きちゃった。」
「帰ろ帰ろ~?」
「あ、ねぇ、帰りにパフェ食べてかない?」
「さんせ~い。邪魔だよブス。」
「!…」
私も蹴られ、よろめいてしまった。3人組が教室を出ていった。
「ごっ、ゴメンね…菜月…私が」
急いで駆け寄ってきてくれた麻里。でも、その言葉を最後まで聞かなかった。その前に私は、麻里を抱きしめた。
「!…」
「っ…ゴメン…っ…守るって…言ったのに…。」
改めて、実感した。私は、春樹がいなければ何もできないということ。1人じゃ、誰1人助けることができないということ。