• テキストサイズ

不良君のおきにいり

第4章 体育祭


今、クラスには私と麻里の2人しかいなかった。他の皆は委員会の仕事や他のクラスに行ったりなどしていて、いなかった。だからこそ、あの3人組は今、来たのだろう。


「…絶対に、守るから。」

「!…」

「もう、こんな苦しい思いしなくても済むように、私が、絶対麻里のこと守るから。」

「…ふふっ…ありがとう。でも、菜月。その気持ちだけで充分だよ。ありがとうね。やっぱり、凄いや。」


微笑んでいるけど、明らかに作り笑いだし、今にでも泣き出しちゃいそうだった。


「っ…。」


どうしてもっと早く、気づいてあげられなかったのだろう。彼女がいつからいじめを受けていたのか知らないが、ずっと苦しい思いをしていたのだろう。他にも、もっとこうして苦しんでいる人がいるはず。


それから、お昼休みが終わり、午後の授業が始まろうとしていた。


「…」(でも、守る。って言ったって…どうやって守ればいい?)

「何?悩み事?」


頬杖をついて、こちらを向きながら、春樹が言ってきた。


「うん…ちょっとね…。」

「何?言ってみ?」

「…」


本人が前にいるのに、話せるわけがない。


「あとで話す。」

「…そか。」

「はーい、席に着いてー!数学始めるよー。」


数学の授業。これが終わったら今日の授業は終わり。


「…」(数学…嫌いなんだよね…。)

「菜月、プリントやってきた?」

「…あ…。」


実は宿題として出されていた数学のプリントがあった。


「やってない…。」

「み、見せようか?」

「ホントに!?ありが」

「ダメだ。」

「げっ…春樹…。」

「コイツは自分でやらないと頭悪ぃのがさらに悪くなる。佐藤、コイツを甘やかすな。」
/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp