第4章 体育祭
リレーの順番も決まり、お昼休みになった。
「春樹、今日は一緒にご飯食べれない。」
「…なんで。」
不機嫌になったのがわかった。
「麻里ちゃんと食べるから。」
「誰そいつ。」
「この子。」
「っぁ…。」
「…チッ…勝手にすれば。」
そう言うと、春樹は教室から出て行った。
「よ、良かったのかな…?」
「うん。それよりゴメンね、言い方キツくて…。」
「う、ううん。大丈夫。」
麻里ちゃんはふわふわしたような子だった。ほんわかしていて、周りにお花が浮いて見えるような子。いつも教室にいて、絵を描いている。
「…私ね…。」
「…?」
「…みんなが近づけない吉田君と普通に話してる菜月ちゃんに凄い興味が湧いたの…。」
「なるほど。」
「…それでね、いつ話しかけようかな…って…考えてて…気づいたらこんなに遅くなっちゃって…。」
麻里ちゃんが他の子と一緒にいるところは見たことがなかった。
「だ、だからね…!」
「!…」
「わ、私と……友達に…なってほしい…の…。」
目を瞑ってそう言った麻里ちゃん。
「…」
「…」
「こちらこそ?」
「!…」
表情が明るくなった。
麻里ちゃんは、黒髪の肩まである髪の毛に、ぽっちゃりとした体型。完全に癒し系女子である。
「麻里って…呼んでもいい…かな…?」
「!…も、もちろん!」
「良かった!じゃあ、私のことも菜月って呼んで?」
「!…うん!」
いや、可愛すぎん?この子。