• テキストサイズ

不良君のおきにいり

第4章 体育祭


席を移動した。


「…俺、席変わんねぇんだけど。」

「あ、確かに…。」


春樹は前の場所と席が変わらない。


「菜月ちゃん…!」

「…?」


前の席の子に話しかけられた。


「わ、私……佐藤…麻里っていうの…あの…っ…ずっと話してみたくて…。」


きっと、この子は勇気を出して話しかけてきてくれたのだろう。そんな子に向かって……。


「…」(春樹…その視線はダメだよ…。)


麻里のことを睨みつけている。


「あ、えっと…どうして私と話してみたかったの?」

「っ…そ、それは…あとで話してもいい…?」

「あ、うん。」


話しづらかったのだろう。春樹の前の席の子はビクビクしている。でも彼も茶髪でピアスが1つずつ両耳にあいている。


「はーい、それじゃあ次は、係決めるから、学級委員よろしく~。」

「はい。体育祭の準備の係を決めたいと思います。そのあとに競技のこととかやるので!」


黒板に書かれていく係の名前。

主に、準備、委員会の2つの係を決めなければならない。

そして、私が選んだのは……。


準備→ライン引きや前日の用具の準備。

委員会→保健・救護。


「じゃあ休み時間にしていいよ~。次の時間はリレーの順番決めるからね~。」


担任の先生は、この学校の教師の中で、唯一春樹にビビらない先生なのだ。


「そういえば春樹!黒染めにしてきて偉かったね!髪もばっさり切って!」

「…」

「菜月が言ったの?」

「いや…まぁ…そうなんです…かね…?」

「偉いね~!」

「うるせぇよ。」


そう言いながらも少し照れていた。
/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp