第1章 最悪最凶
「なんで、春樹はずっと金髪なの?」
先に教室に行ったのかと思った。でも靴箱のところで待ってくれていた。
「…お前が好きって言ってたから。」
「え…?言ったっけ?」
「言った。覚えてねぇの?」
「…?」
「高1になったばっかの頃。」
*
高校1年生の春。5月頃。
「うぁぁ…好き…!かっこいいいい。」
「何が?」
「金髪!ほら!」
ある雑誌をお店で見かけた時だった。金髪の人に一時期ハマっていた時期があった。
「ねえ、春樹も金髪にしない!?」
「そんなに好きなら自分でやれば?」
「えー!それじゃあ見れないもん。」
「…気が向いたらな。」
*
「そういえば……言った。」(その翌日に、もう金髪になってたっけ。)
「だろ?」
「…じゃあ髪の毛が若干長いのは?」
ハーフアップ。という縛り方で髪の毛を縛っている春樹。
「それもお前が好きって言ってたから。」
「それは覚えてる。でも、だからと言ってずっとその髪の毛でいるわけにはいかないでしょ?」
「菜月が好きって言うんなら、それでいい。」
頑固だ。
「じゃあ、もし黒髪の短髪が好きって言ったらどうするの?」
「髪の毛切って金髪やめる。」
「自分の好きな髪型にしたらいいのに。金髪ずっとキープしてるの大変でしょ?」
「もう慣れた。」
そんなこんなで教室に着いた。私達の教室は4階。運動不足の私にはしんどい。