第1章 最悪最凶
「ふぁ〜っ…。」
高校1年生の秋。もうすぐで高校2年生になろうとしているわけで…。
「ひっ…!」
「わ…っ…よ、避けなよ…!」
春樹を見れば、みんなが避けていく。怯えられているのだ。みんな逆らえないし、おまけに顔も怖いので、なおさら。
「チッ…うぜぇ…。」
「春樹、そうやって人のこと睨むから、みんなが逃げていっちゃうんだよ?」
「別に。お前いるから。」
「…」
この人はいつも、サラリとこういうことを言うので、本当に心臓に悪い。
私は春樹のことが好きなのだ。でも本人は全く気づいていない。
「あ…。」
「何?」
「今日、頭髪検査と服装チェックの日だった。」
「あー。」
「…」(いや、焦らないといけないのはあなたですよ?)
校門の前に立っている先生に服装と頭髪を見せにいった。
「はい、いいよ。…よ、吉田君は…そうだねぇ…。な、直してこようか。」
おばさん先生もビクビクしている。
「…」
「春樹。返事は?」
「…できたらな。」
そう言い先生の横を通り過ぎた。
「すみません、ちゃんと言っときます…!」
「う、うん。ごめんね、よろしくね、佐野さん…!」
ただ、春樹の金髪は言っても直らない。そういえば、ずっと金髪にしているのはなぜなのか。理由を聞いたことがなかった。初めて金髪になった時は聞いた。その時は、ブリーチをしたまま放置したらこんなになった。と言っていた。