第3章 とぅー!
「あ、蒼生くんバイバーイ」
「また明日ねー」
蒼生「また明日ー」
あれから駐輪場にやって来た私の手前、女の子と仲良くバイバイする蒼生兄の姿を見つけた。
流石、高遠さんから告白されただけあるな。
駐輪場の支柱に背中を預けてスマホを見る蒼生兄。そんな彼の背後に忍び寄る。
『相変わらず人気だね?』
蒼生「おわっ!び、ビックリした」
すると驚きでスマホを落としそうになる蒼生兄に私は悪戯に笑った。
もう面白過ぎ。
『ふふ、驚き過ぎだよ。でもいつも待ってくれてありがとうね』
蒼生「真白かぁ。当たり前でしょー。こんな可愛い真白を一人で帰らせるなんて僕には出来ないもん」
と言って抱き着いてきた瞬間
ビリっ!!
『いた!』
蒼生「え!? なにごめん!大丈夫?」
抱きつかれた瞬間、足に力が入りそれはお腹に負荷をかけた。
結構重症かな?
蒼生兄は素早く私から離れると、心配そうに私を見つめる。
蒼生「どこか怪我したの!?」
『大袈裟だよ、今ちょっとお腹が痛くて』
蒼生「あ、お腹か! 痛いのにいきなり抱き着いたりなんかしてごめんね?」
『ううん、大丈夫だよ。それより早く帰ろう』
周りの目もあるし。
てか、なんかさっきより人増えてるし。
蒼生「そうだね。歩ける? あ、昔みたいにお兄ちゃんがおんぶしてあげ『せんで良い!』
蒼生「えー! 小さい時の真白は僕につきっきりで甘えて来たのに」
『それは過去でしょ。いいから行くよ』
蒼生「刻は時に残酷だなー」
そして私たちは話しながら駐輪場から帰り道に出た。
まさか、そんな私たちを高遠さんが見ているとも露知らず。
ガンッ!!!
高遠「ほんとムカつくわ。ねぇあんたたち、わかってるんでしょうね?」
教室の窓から、真白、蒼生を見下ろしながら、高遠は机に腰掛ける男たちに話し掛けた。
高遠「明日、彼女を犯しといてよ」
「はっ、まじで犯しちゃっていいのー? なんか真面目そうじゃん」
「いいんじゃなーい、莉乃が言ってんだから。それに可愛い子だからこちらとしては嬉しいけど」
「それに真面目程犯すとエロくなる」
「「まじか!」」
制服を着崩した男たちは不気味に笑う。
その横、高遠は静かに目を閉じた。
高遠「ふ、闇に堕としてやる」