第2章 わん!
祭「じゃ、また明日な」
『うん、また明日』
瑞希「おいおい、お前はもっと女の子っぽくならないのかよ」
祭「え? ああ、私は真白の彼氏だからさ、女の子っぽくとか無理だから」
瑞希「真白の彼氏って、お前な。」
また始まった。
放課後、祭はテニス部に行く為先に教室を後にするんだけど、祭と瑞希の掛け合いが毎度ある。
ま、聞いてて面白いんだけどね。
祭「でも私が女の子っぽく、"じゃあまたね真白ちゃん"なんて言ったら気色悪いじゃん」
瑞希「可愛いじゃん」
『うん、可愛いくて良いよ』
祭「え?////」
目を見開いて頬を赤く染める祭。
私は知ってる、祭が可愛いと言われるとガチで照れちゃうのを。
なんせ、祭は誰よりも乙女だから。
祭「ばか!もう知らん。じゃまた明日な!」
『あはは、うん、また明日ー』
瑞希「結局かよ、ああ、また明日」
祭「また明日ー」
そして祭は教室を出て行った。
『ふふ、可愛いなー』
瑞希「そうか? てか、今日もまたアイツと帰るんだろ?」
祭が出て行ったドアを見てたら、隣からため息とともに言葉を発した瑞希。
瑞希の言うアイツとは蒼生兄の事だ。
『もちろんだよ。蒼生兄と約束してるから』
瑞希「お前ら本当に仲が良いよな」
『まぁね。なかでも蒼生兄は兄弟たちからも一番のシスコンって言われてるからね』
瑞希「あの先輩がねー。って、お前もなかなかのブラコンだろ。」
『えー、なのかな?』
瑞希「間違いないな。ま、気をつけて帰れよ」
『え』
私の頭を撫でたと思ったら、鞄を肩に背負うようにして瑞希は教室を出て行った。
あ、また明日!って言ってない。