第11章 つくばねの… 〔三日月宗近/R18〕
雅の声を聞かず、俺はからだを動かし、奥へ奥へと自分をぶつけていく。
先にイッた雅は更に悶え、甘い声を俺の耳に送り込んでくる。
二人のからだが妖しくぶつかる音がし、俺の目の前で娘からおんなへと変貌した雅のからだが揺れる。
幼き頃から見守ってきた少女が、俺の手でおんなへと姿を代える。
いつの間にか誰よりも愛しい存在になっていた審神者の娘。
その娘も俺を選び、俺によって新しい花を咲かせ、妖しい雌の匂いを運んでくる。
「宗近、今日の出陣はこのかたがたでいかがでしょう」
今日も出陣の連中を決めるのを隣で手助けする近侍の俺に、違うと言えば俺につけていた『さん』が消えた事か。
他の刀剣たちもそれに気付き、俺たちが特別な仲になった事を知り驚いていたが、清光だけはにっと笑って俺に言ってきた。
「主を頼んだ。主が貴方の事を話す時はいつも嬉しそうだったから、二人が特別になったのは嬉しい」
妬心なぞ見せずに普通に話す清光を見て、彼は本当に雅の友人として接しているのかと内心勘ぐるのは、俺があまりに雅を独り占めしたいからなのだろうか。
さて、今宵は俺をそれまで悩ませた仕置きとして、雅をいたぶりながら甘い時を過ごすとするか。
俺の瞳の三日月が緩やかに微笑む形に変わる。
俺を待つ、甘やかな香りを纏う審神者の娘への恋の心は積もり、その姿は俺によって淫らに染まり深く俺を繋ぎ留めて離さない。
俺は雅の許へ、今宵も静かに沈みこんでいく。
<終>