第49章 肥前、捻じれた世界へ行く 2 〔肥前忠広〕
素直に謝られて南泉は「気にしてないにゃ」と軽く答え、「オレもお頭のところに戻るにゃあ」と言って部屋へ戻って行った。
加州と大和守も手入れ部屋へ行き、南海は出陣前に読んでいた本の続きが気になるから、と部屋へ戻っていく。
「肥前さんはお疲れのところ申し訳ありませんが、またお話しを聞かせてもらって良いですか?」
審神者は目をらんらんと輝かせて、異世界の話しを聞きたがっているのは明白だった。
「…わかった」
ある程度話さないと解放してもらえないな、と肥前は大きく息を吐いて審神者の部屋へ一緒に行った。
部屋に入った途端、審神者が肥前にぎゅっと抱きつく。
「…気配が消えた時は本当にびっくりしたんだから…」
「雅…オレもまたあの世界に行くとは思わなかった…」
肥前もそっと審神者を抱き締めると、審神者は顔をあげて口をとがらせる。
「私もツイステッドワンダーランドに行ってみたかったんだよね。だけど長谷部さんが私が行ったら戻れるかどうかわからないから、行ったらだめって止められたの」
「あぁ、それは聞いた」
肥前はくつくつと笑うと審神者の額に口付ける。
「オレは何があってもあんたの許に戻る」
「うん…戻ってきてね」
互いの熱を確かめるように更に抱き合い、肥前はしばらくして「…話しは後だ」と審神者を押し倒すと審神者の肌を確かめる動作に入った…
<終>