第48章 特別な主、特別な刀。 〔日光一文字/R18〕
「雅、その…主とお頭のどちらが大切かという問いだが…」
ふと思い出して、主が怒ったそもそもの件を持ち出すと、主は顔をあげてこちらを見て、間髪入れずに口を開いた。
「それは答えなくて良いよ」
「どうして…」
俺が問うと主は俺の胸に顔をまたくっつけるようにしながら言う。
「あれは…日光さんがあんまり山鳥毛さん山鳥毛さんってうるさいから、私が嫉妬したの」
「…嫉妬…」
「私と山鳥毛さんを比べさせるのがそもそも間違いだよね。ごめんなさい」
顔をあげて俺の顔を見ながら謝る主が、俺にはお頭とは別な感情で大切な存在だと痛感した。
「お頭と比べるのは難しいが、俺の主は雅だけだ。今、改めてそう思った」
主の後ろ髪を撫でそのまま引き寄せ口付ける。
「ん…に、こう、さ…」
口付けの合間に主の蕩け出す声が漏れ、俺は俺自身がまた猛るのを感じる。
「雅…その…もういちど…良いだろうか…」
唇を離し催促すると、俺のものにはっと気付いた主が目線を泳がせながらも「いいよ」と答えるので、俺は主の肩を押し布団へからだを押しつけて自分のからだを起こした。
「…俺が顕現している限り、雅を愛そう…」
俺の言葉に主はふわ、と微笑み、俺はもう一度主を愛する動作に入った。
<終>