第48章 特別な主、特別な刀。 〔日光一文字/R18〕
「ん、もう、日光さん。貴方、山鳥毛さんと私、どっちが大切なのっ!」
とうとう審神者である主は怒ってしまった。
むくれる主も可愛い、と俺は思いつつ、彼女を引き寄せて胸に抱き締める。
「あぁ…すまなかった…雅に決まっているだろう?」
そう言うと少ししてまだむくれた主は顔をあげて言う。
「…だって…いつもいつも日光さんってば山鳥毛さんのことばかりじゃない…」
「…そうか?俺はそうは思わないが…そうだったらすまなかったな」
彼女はまた俺の胸に顔を埋めつつ言う。
「もう…本当…だよ…」
この本丸の審神者である主はなんと愛おしい存在なのか。
俺がある日そう思い、この事をお頭に言ったところ、豪快に笑われた。
「ほう…我が翼は堅物そうで、そうでもなかったか」
「…どういうことでしょうか…」
「我が翼は主が好きなのだな」
意味がわからず問い直すとずばり指摘され、俺は瞬時に顔に熱が集まるのを感じた。
「我が翼。顔が赤いぞ」
お頭に言われ慌てて否定するものの、お頭はにやにやと含み笑いをするだけだった。