第47章 嘘つきな秘密 〔明石国行/R18〕
「ちょ…明石、さん…人前で…」
慌てる審神者に明石は「はは」と軽快に笑う。
「今の雅はんは自分のものです。自分のものに何しようがかましまへんでしょ」
「…もぅ…そういうこと、平気で言うんだから…」
審神者は回された明石の腕を外すと、自分から明石の腕に抱き着く。
「でも、明石さん、大好きよ」
ぱぁと満面の笑みを見せる審神者の表情に、明石は目を見開いてから口元を空いている手で覆い隠す。
「…あかんです…」
「え?」
きょとんとする審神者に明石は言う。
「可愛すぎます…」
そして明石は顔を審神者に寄せて小声で言う。
「…そんな事言われたらまた抱きたい…」
明石から言われた事に審神者は顔を赤くする。
「ちょ…それは…ええと…また…夜に…」
しどろもどろに答える審神者に明石はぷっと吹き出す。
「あーあー、顔、真っ赤にして可愛い」
抱き着かれた腕を抜いて、明石がまた審神者の肩を抱き歩き出す。
「さ、本丸へいい加減戻りまひょ。あんまり遅くなると長谷部はん達が心配します」
「うん」
そのまま仲良く本丸へ戻って行く中、明石はもう一度内心思い出す。
『雅はんがあんなに乱れるなんて…万屋の裏販売のものだけありましたね。まだ残ってるしこうして出掛けた時に仕込みまひょ』
なんでも売っていると言われ、各本丸からの注文を確実にこなす万屋。
頼もしい限りだが、刀剣男士のみが密かに知る裏ルートの販売もしており、明石のように媚薬を購入することが一番多いらしい。
勿論その餌食は、恋仲もしくは片恋相手の審神者だそうだ。
<終>