第47章 嘘つきな秘密 〔明石国行/R18〕
「ちょっと万屋まで買い物に行ってきますわ」
明石が気だるげにのそっと顔を出した。
「どうしたの?何か不足なものでも?」
念の為に聞いてみるが明石からは首を左右に振る動作だけだった。
「特に何も。ちょっと行ってくるだけですわ」
そこへ元気な声が重なって聞こえてきた。
「くにゆきーっ、まだーっ、早く行こうよぉー」
くすくす、と理由がわかった主は「どうぞ」と笑って許可を出す。
「いってきますわ」
ぼりぼりと後頭部を照れたように明石は掻いて、蛍丸と愛染と万屋へ行った。
万屋へ着くと蛍丸と愛染は嬉しそうに菓子を選び出す。
「粟田口の分も選んでな」
明石は楽し気に選んでいる二振りに声を掛け、万屋の奥へと入って行った。
万屋の奥には女性審神者が知らない、秘密のコーナーが有る。
そこは刀剣男士しか入れないように出来ており、更に短刀や脇差では入れないようなガードがかかっている。
太刀である明石はするりとガードを抜けその奥へ入り、さまざまな怪し気な商品が並ぶ棚には目もくれず、まっすぐ会計へ進み予約の紙をポケットから出した。