第45章 ××しないと出られない部屋その4 〔南泉一文字/R18〕
「ん…わかった…」
ほわんとした表情のまま、それでも主はのろのろと着ているものを整える。
でも表情は蕩けたままなので、見る男士によっては何が有ったのかわかってしまうだろう。
南泉は後頭部を掻きながらどうしようかと迷う。
でも目的を達したためか、カチリと小さな音がし、鍵が開いたことを示される。
「主、開いたにゃあ」
「はい…」
まだのろのろと動く主の姿に南泉は近寄り、さっと主を横抱きにする。
「主、顔隠していて」
ひとこと伝えると開いた扉をするりと開き、そっと廊下を覗くと運よくまだ誰も気付いていないらしく無人だった。
主を南泉は抱いたまま廊下へ出て、足でひょい、と扉を閉めると一目散に主に部屋へそれでも静かに運んで行った。
「ふー、誰にも気付かれなかった…と思うにゃ」
主をおろすと外気にあたったせいか表情もいつものものに戻った主が、顔を赤くして両頬を自分の手で挟んでいた。
きっとあの部屋でした事を思い出して恥ずかしがっているのだろう。
しかし、南泉とした事は消えない。
南泉は主に背中を見せたまま、これから主にあの事を盾にいろいろ出来るだろうと想像しにやりとほくそ笑んだ。
<終>