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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第43章 GREEN 〔石切丸/R18〕


私の剣幕に気圧された石切丸さんは、目を丸くしてこちらを見、私の真剣な表情に少し驚いた様子を見せてから、湯呑を縁側に置くと私の両肩に落ち着かせるように手を置く。

「主、私は何も不満は無いよ?私こそ何か貴女の気に障る事をしたのだろうか?」

私は「違う」と首をぶんぶんと左右に振った。

「でも…今の石切丸さんの…様子だと…何か、私に問題が有りそうで…」

怖くて顔が見られないから、おそるおそる隣で自分の足元を見ながら言う。

「主、そんな事は無いから安心しなさい」

瞬間、ぐいと石切丸さんに引き寄せられ、少し空いていた間が詰められた。

そして石切丸さんの胸にからだを押しつけられる。

「いしっ…」

驚いた私が声をあげるものの、声を押し込められるように、顔ごと胸にぎゅうと押しつけられ、そして、感じたのは石切丸さんの思ったより強く聞こえる鼓動。

「主。私はご神刀として奉納された刀だ。治癒を望んでお詣りにきたひとびとを助ける立場で、特定のひとを守る存在ではない。だが…今はその立場が苦しいんだ」

苦しい…?やはり刀剣男士になったのが苦痛なのだろうか…

私は胸に押し付けられたまま考えを巡らせる。

「私は邪心を持ってしまったんだ」

すると石切丸さんが、らしからぬ発言をした。
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