• テキストサイズ

刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第43章 GREEN 〔石切丸/R18〕


「ありがとう」

そう言って石切丸さんは熱いお茶を口元へ運び、「あつっ」と小さく言いながらもひとくちすすった。

「うん、主が淹れてくれるお茶は美味しい」

にこにこしながらそう言ってくれる様子に、自分の心が少しどきりとする。

「石切丸さんは…」

私が口を開くと、「ん?」とこちらを向いて話しを聞いてくれる。

「…何を祈祷していたのですか?」

「あぁ、祈祷というか天へのお礼、かな」

「天へのお礼?」

私は意味がわからずきょとんとする。

「作物がよく育つのは天が日光と適度な雨を降らせてくれるから、なのは知っているね。だからそれに対してのお礼をしていたんだよ」

言われてみればこの本丸に来てから、天候のせいで作物が駄目になった事はない。

私がそれを言うと、石切丸さんは大きく頷いた。

「それは私の祈りだけではないよ。皆の行いが良いからだろうね」

柔らかい微笑みを浮かべる石切丸さんは、近くにいると包まれるようで安心する。

でも、そういう事を審神者である私が言うと、きっと男士は平等にして扱って欲しい、と困った表情をするんだろう、と想像出来る。

穏やかで優しい石切丸さんはそういう男士だから、私は何故か惹かれるのだ…
/ 790ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp