第41章 愛はこれから 〔大倶利伽羅/R18〕
「…今、笑いましたよね?」
私は真面目に聞いたけれど、大倶利伽羅さんは「…何のことだ?」とすげない。
あくまで笑っていないのを貫くようなので、私も事後で気力が無いのもあってそれ以上聞かなかった。
大倶利伽羅さんが「寝ろ」と私をぎゅっと抱き寄せてくれるので、私は妙に安心したような心地よさを覚え、ほどなくすぅと眠りに入った。
目が覚めると朝で、大倶利伽羅さんは私の隣で綺麗な顔で眠っていた。
あぁ、綺麗だな、精悍だなと思いながらも、あの薄い唇が私の全身を這ったのかと思うと急激に恥ずかしくなり、まともに大倶利伽羅さんの寝顔すら見られなくなっている自分に驚く。
今迄寝た男士には、こんな感情は一切沸かなかったし、どうしてなんだろうと自問自答するけれど、明確な答えは出てこなかった。
寝顔をまともに見る事も出来ず、先に起きようと思ってお腹に回してある大倶利伽羅さんの腕を外そうとしたら、眠そうに「…どうした」と声が隣からした。
「あ…えっと…起きようかと…」
大倶利伽羅さんに返事をするものの、眠そうな声がこちらに戻ってくる。
「…まだ、早い…離れるな…」
お腹に回った腕がちからが入ったと思うと、ぐいと隣へこれ以上近寄れないくらいに引き寄せられる。
私の肩口にもそ、と顔をくっつけてくる大倶利伽羅さんの可愛い仕草に、私は驚きつつもそんな姿を見られた事に動悸が止まらなくなってしまった。
「かわい…」と小さい声で言ってしまったのがいけなかった。