第41章 愛はこれから 〔大倶利伽羅/R18〕
「あぁ、主、伽羅ちゃんを顕現してくれてありがとう」
見た目だけじゃなく声も良い光忠さんにお礼を言われると、子宮にずんずん声が刺さる。
光忠さんの声は、声だけで妊娠させられそうで、私はよく冗談で「声だけで孕まされた」と光忠さんに言い、すると光忠さんは眉をさげて困ったように、「そうなの?困ったね、声は変えられないし」と声音をわざと変えて言う、つまりは冗談を言いあえるような間柄なのだ。
こんな調子だから、よく聞く男士との恋愛なんてこの光忠さんとは絶対無いし、私も務めて特定の男士と仲良くしすぎないように気を付けている。
とは言うものの、割と性にあけすけな私は男士たちにちょっかいを出してみたりするけれど、無理にとは言わないし相手になってくれる男士も固定されてきている。
ラクなのは、彼等は精子を持たないから、避妊しなくても妊娠はしない。
だからナマでセックスしても問題ないってこと。
男士たちも、だから、私とそういう事をしてもあっけらかんとしていて、「主と寝た」と平気で吹聴していて、それを聞いた他の男士も次は自分がそういう風にならないか、と待っていてくれているらしい。
なんか、私って好き者みたい。
ただ、けしてそうじゃないと言いたいのは、私だって本当はちゃんとした恋愛はしたいけれど、今いる男士たちではそういう間にならないという事。
三日月さんや石切丸さんは私がこの本丸に来た時から面倒をみてくれて、どちらかというと父や兄みたいだし、光忠さんや歌仙さんはまるでおかあさん。
一期さんは粟田口のおにいさんで、短刀たちは今では可愛い弟たち。
槍の三振りは酒が入ると色っぽくてまるで熟年ホストのようだけど、これを言ったら御手杵さんから「おじさんじゃなーい。日本号や蜻蛉切と一緒にするなぁ」と怒られた。