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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第41章 愛はこれから 〔大倶利伽羅/R18〕


「俺は慣れあうつもりは無い」

顕現した男士は、審神者の私に向かって真っ先に言い切った。

浅黒い肌、片腕に龍の刺青をした刀剣男士は大倶利伽羅という刀だ。

あまりに突き放した言い方をされ、瞬間むっとしたものの、顕現したばかりでまだ世慣れていないのもあるから仕方ないと思い、私は鷹揚に対応する事とする。

「初めまして、大倶利伽羅さん。私はこの本丸の審神者で雅です。貴方、伊達家の刀ですよね?この本丸にいる燭台切光忠さんを呼んでますのでお待ちください」

光忠さんの名前を聞いて、ぴくりと反応する大倶利伽羅さん。

やっぱり知っている刀だからかな。

慣れあいたくないなんて言っているのは、一匹狼を気取った実はかまってさんなのかな。

廊下をバタバタと歩く音が近付いてきたと思うと、声が掛かり障子が開いた。

「主、失礼するよ…って伽羅ちゃん!」

姿を見せたのは、台所にいたのかエプロンをしたままの燭台切光忠さん。

私の目の前に座る大倶利伽羅さんの姿を見ると目を見開き名前を呼んで、ばっと飛びつくように大倶利伽羅さんに抱き着いた。

デカいものの見た目の良い男士二振りが抱きあう姿は、BL作家が見たら垂涎の的だと思う私はすっかりオタク心に染まっている証拠かもしれない。

「やっぱり伊達刀だけあって知り合いだったね」

私が声を掛けるとようやくこちらを光忠さんは向いた。
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