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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第39章 出会いは不思議を運ぶ 〔乱藤四郎〕


ぼくの、誰にも言えない秘密。

だけど主さんは信じてくれるかな、戻ったらこっそり話してもいいかな、とぼくと主さんだけの秘密を持てたようで、ぼくの胸は嬉しくなった。





「ようやく、あの時のあの子が見付かりましたね」

「えぇ。ミダレさんには悪いですが、ぼくたちだけがわかる匂いをつけましたし、これで陸にあがって探すのはたやすいでしょう」

「でもさぁ、トウケンダンシとか言ってたよね。めんどくさそ。それに簡単に見つかるかなぁ」

フロイドが口をとがらせると、アズールは口元だけ妖艶な笑みを浮かべる。

「どこにいようとも、あの匂いを辿ればあの子…雅さんと言いましたか…彼女を捕らえる事が出来ますよ。その為の魔法ですからね」

ジェイドも一見穏やかに、けれども、底に得体の知れないものを隠した顔で微笑む。

「こどもだったとはいえ、ぼくたちにお礼と言ってキスなぞするから、こうしてぼくたちが探すハメになっているのですからね。責任は取っていただかないと」

「あーあ、めんどくさ。でもまたあの子に会えるなら探してもいいかな」

フロイドがケタケタと笑う。

「さぁ、陸へあがる準備をしましょうか」

アズールの目の奥が光り、ジェイドとフロイドが了解とゆたりと尾びれを震わせる。

「雅さんを探しに行きますよ」





ヒトに変身した彼等が本丸へやってくるのを、雅や男士たちは知らない。



その姿を見て、審神者と乱だけが気付いて震撼し、そして、その後、どのような事になるのか…



それはいつかどこかのお話し。


<終>
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