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刀剣純情伝 《刀剣乱舞/短編集/R18》

第36章 もふもふ 〔五虎退〕


いいこ、と撫でられこんのすけさんはだんだんと機嫌を直したような表情を見せる。

「こちらの審神者様は柔らかくて気持ち良いですねぇ」

と抱き上げられたままこんのすけさんは気持ち良さそうな顔付きをし、主様の胸元に顔をすりすりと擦り寄せる。

「こんのすけ、ちょっとくすぐったいよ」

こんのすけさんの擦りよりがくすぐったいらしく、主様がからだをよじる。

すると今度は牛乳を飲み終えた虎さんたちが、主様の膝目掛けて乗りかかっていく。

「あっ、虎さん、主様に駄目ですぅ」

ぼくは慌てて虎さん達を止めるけれど、虎さんたちは主様に突進して主様はこんのすけさんを抱いたまま畳へ倒れてしまう。

「あっ、主様、大丈夫ですかっ?」

慌ててぼくは主様に声を掛けるけれど、虎さんたちが倒れた主様のあちらこちらにのしかかってしまった。

「わぁ、こんのすけと虎さんたちにモテモテだわぁ」

きゃっと喜ぶ主様にぼくはどうしようとおろおろするけれど、主様は怒る事なく虎さんを一匹ずつからだからおろすと、最後にこんのすけさんも手元からおろし半身を起こした。

「もふもふに囲まれて幸せぇ」

虎さんとこんのすけさんを順に撫でながら主様は大喜びするので、ぼくも主様がこんなに喜んでくれているから良いのかな、と内心思う。

こんなに喜んでくれるなら、虎さんたちまた連れて来て良いのかな…ずうずうしくないかな。



ところで。

こんのすけさんが主様のお部屋にいたのは、刀剣男士の出陣命令を持ってきた為。

それをしばらく忘れていたこんのすけさんと、そのこんのすけさんと遊んでいた主様は、後で近侍の長谷部さんにこっぴどく怒られたと聞いたんです。

だからお願いです。

虎さんが遊びに行きにくくなってしまうので、ぼくがそれを耳にした事は内緒にしてくださいね。


<終>
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