第32章 夜を独り占め 〔膝丸/R18〕
互いの口からくちゅくちゅと音がして、卑猥な気分が盛り上がっていく。
どうしてこう、ヒトのからだから聞く水音っていうのは、厭らしい気分にさせるものか。
俺が唇を離すと、俺と主の離れた唇からつぅと銀糸がひく。
「…主…雅…俺の名、呼んで」
俺の名前を言わせる事で、俺の全てを主のからだに刻み込む。
「…ひざ、まる…」
キスだけで蕩ける主の顔から俺の名前を聞かされるなんて、本当に厭らしい。
俺は一度大きく息を吐いて、主の着ている上服のすそを引っ張り出すと、主は「やぁ…っ、なに、する、の…」と小さく抵抗する。
「もう…雅は本当に初心くて…可愛すぎる…」
俺はまた腕に中に抱き締めると片手を下げ、引っ張り出した上服の裾の中へ差し入れ、一気に胸まで手を引き上げ、下着に包まれた胸をそのまま全体を掴むように揉み出した。
重みのじゅうぶんある乳房を優しく揉み、下着に覆われた胸の中心を下着の上から掠めるように触れると、ぴくりぴくりと主のからだが震えて反応する。
「…っんっ…はぁ…っ…」
触れられて声を小さく漏らす主の声はあくまで艶めいて色っぽく、俺は自分のものが少しずつ昂っていくのを己で感じる。
「声、可愛い…もっと聞かせて…雅…」
ぺろり、と耳全体を舐めながら囁くように言ったところ、大きくからだ全体を震わせる主が声を少し大きくあげた。
「そこ、やぁっ…こえ、も…だめぇ…」